チャペルコンサートシリーズ、今年度3回目の公演がいよいよ明後日に迫っている。
今回はバッハのカンタータをメインに、プロテスタントの讃美歌、「コラール」を元に作られた音楽を紹介しようというプログラムである。
カンタータ140番「目覚めよ、と呼ぶ声あり」(Wachet auf, ruft uns die Stimme)はオルガン作品の編曲の方がひょっとしたら比較的知られているかもしれない。
カンタータは全部で30分ほどで、管弦楽による3拍子の舞曲風のリズムと、バイオリンとオーボエの掛け合いが心地よい前奏からコラールが始まる。
カンタータ全編で、「神(キリスト)がいつ訪れても受け入れられるように備えをしておけ」という教訓めいたメッセージが繰り返し語られる。
聖書ではマタイ25:1-13が該当箇所になるが、その中の「花婿」に例えられているのが
キリストである。
このカンタータにはソプラノ(魂)とバス(キリスト)のデュエットのアリアが2つ含まれているが、「いつ来てくれるのですか?」「お前のもとに行くよ」とか、「私の愛しい人(mein Freund:通常は「彼氏」という意味で使う)は私のもの」とか、
照れ臭くなるほどのラブラブ会話が飛び交う。
前半のアリアには泣かせるバイオリンのソロが、タフさを要求するオーボエのソロが
そこに付随する。
今回は中村公俊さん(バイオリン)、山口裕加さん(オーボエ)が、素晴らしいソロを
聞かせてくださる。
リハーサル風景
指揮:眞木喜規さん ソプラノ:北爪かおりさん バス:中田浩隆さん
チェロ:野田祐子さん オルガン:佐川淳
今回のコンサートの特筆すべき点は、
高校生、大学生、卒業生のOGOBらとプロの演奏家たちが協働で
ステージを作り上げているところだ。
昨年度のシリーズでは、プロの声楽家たちで構成するグループ、Voice=Spective(ヴォイスペクティヴ)と同志社高校ホザナコーラス部のメンバーがともに歌う演奏会を実施したが、
3年生の生徒から、「今年はオケとコーラスで一緒にやりたい」という声があがった。
ではバッハのカンタータはどうかと、オケのメンバー集めをその生徒に頼んだところ、
高校生から大学生・社会人(卒業生)までの若い人たちが次々に名乗りをあげてくれたという。
バイオリンは中高オケの、かつてのコンミス・コンマスが肩を並べるという豪華メンバーだ。
コンマス兼ソリストは、私が出産のため休職していた際講師を務めてくれた中村公俊さん。
オケのメンバーには当時彼に教わった人たちもいる。
中村さんはクリスマスの音楽礼拝、岩倉キャンパスクリスマスでもここ数年
指揮指導に来てくれたり、愛と情熱をもって若い人たちを上手に導いてくれる。
仲間と教え子たち約20名の中で、私もコンティヌオ(オルガン)を弾く。
指揮の眞木さんは、練習でつい毒舌を吐く私とは対照的に、コーラスの気分を常によく
させる素敵なリードと的確な指導で音楽を仕上げていかれる。
コーラスは、高校生・大学生メンバーに、あらゆる面で力強くバックアップ
して下さるOG.OB会からの参加者を合わせた約50名で昨年夏から合同練習を
重ねてきた。
日曜日、素晴らしい演奏会となりますように!
2020年2月16日(日)14時開演
会場:同志社中学校・高等学校 グレイス・チャペル(地下鉄国際会館駅最寄り)
<プログラム>
トッカータ へ長調 BuxBWV156 / ディートリッヒ・ブクステフーデ <オルガン>
カンタータ140番 「目覚めよ、と呼ぶ声あり」/ J.S. バッハ
「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」/ D. ブクステフーデ <オルガン>
「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」/ J.S.バッハ <オルガン>
「神はわが砦」/ J.S.バッハ <オルガン>
「神はわが砦」/ ヨハン・ヴァルター <ア・カペラ>
カンタータ147番『心と口と行いと生きざまもて』より
「イエスは変わらざるわが喜び」
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