今年の9月に、音楽学者の岡田暁生さんの著書『音楽の危機』がでた。
といっても、日常に追われていたので、ふとした偶然で新刊を出されていたことを
知り、すぐにポチッと押したのが11月だったという訳だ。
氏の著書は、私が音楽のことや演奏、授業などをめぐって疑問を感じているとき、
何故かいつも私の個人的な疑問に対するビッグヒントを本の向こうから
突きつけてこられるので、本当に驚く。
本の帯には「終幕か、新時代か」という言葉と、”「集えない世界」の衝撃ー
コロナ後の文化のゆくえは” という言葉が載せられている。
今年の春、緊急事態宣言が発令された直後、世界中のコンサートホールや
演奏会場から音が消えた数ヶ月の間に書かれた著書である。
2月末、日本国内で新型コロナウイルス感染症の感染が広まり始め、
学校も休校、あらゆる行事がなくなってから、11月の現在まで
あっという間であった気がするが、混乱の連続で、教育現場では
息つく間のない数ヶ月だった。
今なお第三波の渦中にあるので、「だった」なんて過去として扱えるものでは
ないけど、今になってようやく「ことば」で何かを表現しても良い、
というよりむしろ、自分の中にあるものを
発信していかなければいけないような使命感を感じ始めていたりする。
9ヶ月近く、私は沈黙してしまっていたのかもしれない。
あの、異常な2020年の春に、これだけのことを書かれていたという
岡田氏は本当に物凄い。
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